特集

1on1ミーティングでは何を質問すべき? 面談のコツや注意点について

定期的に部下と1on1ミーティングを行うことになったら、どのようなことに気を付けたらいいのでしょうか。1on1ミーティングの心構えや進め方のポイントについてお話しします。何の事前準備もせずに「なんとなく」実施してしまうと、部下のモチベーションを上げるどころか、逆に下げてしまうケースもあるので注意しましょう。

そもそも、1on1ミーティングの目的とは?

1on1ミーティングは、部下の悩みやモヤモヤを解消し、成長を支援する場として設けられるものです。間違っても「上司が一方的に伝えたいことを話す場ではない」ということを理解する必要があります。

部下の強みが何か、改善すべき点はどこか、設定した目標をどのように達成していくのか。部下が成長していくために必要なことを具体的に導き出し、本人とすり合わせることができれば、1on1ミーティングは意義のある場になるでしょう。

1on1ミーティングで上司に求められる3つのスキル

まず最初に挙げられるのが「傾聴力」です。つまり、部下が気兼ねなく本音を話せるように導き、その内容を正確に理解するスキルです。先に述べたように、1on1ミーティングは上司が一方的に意見を言う場ではありません。部下が考えていることに耳を傾け、部下が多く発言できるように進めることが重要です。

次に必要なのが「質問力」です。突然「さあ、話してください」と言われても、部下は困惑します。また、「仕事の調子はどう?」「問題ありません」と一言で返せるような質問も、適切ではありません。内容が具体的でなく、部下が答えづらい質問はしないほうが良いでしょう。では、具体的にどのような質問が良いのか。それについては後述します。

他にも「フィードバック」のスキルが必要になります。部下の話をじっくりと聞いて理解し、改善する方法を一緒に考え(もしくは上司から提案し)、改善のための具体的なアクションを部下とすり合わせる。ときには部下にとって耳の痛い事実を伝える必要も出てくるかもしれませんが、部下の成長のためにはそれも必要なことです。

1on1ミーティングにおける質問例

前述のとおり、1on1ミーティングでは部下が話しやすくなるように問いを投げかける必要があります。質問の内容は、業務に紐づいたものが望ましいでしょう。

例として挙げられるのが、「最近取り組んだ仕事でうまくいったことは?」「その理由は?」といった質問です。成功をした仕事について聞き出すことで、部下の仕事ぶりを称賛し、モチベーションを高めることができます。

仕事の失敗について聞くときには、失敗した内容を聞いた後に「その失敗から得たことは?」と聞いてみましょう。何が問題だったのかを明らかにし、今後の仕事にどのように活かせるかを一緒に考えることで、前向きで建設的な話につなげるようにしましょう。

部下により高い目標を持ってもらうためには、「どんなキャリアプランを描いているのか」を聞くのが効果的です。目の前の仕事に追われがちななかで、1on1ミーティングの場を利用して中長期的な目標について考えてもらうことで、視座を引き上げることができます。

不満がないかどうかを探るためには、「サポートしてほしいと思っていることはあるか?」と質問してみましょう。会社やチーム、現在の仕事への不満を聞き出せるので、個別に対策を打つことができるでしょう。

最後に「個人的な悩みはないか?」という質問をすれば、仕事に集中できない理由を明確にすることができます。一緒に対応策を探し、問題を解決できれば、部下が仕事に打ち込める環境を整えることが可能となります。

避けたほうがいい質問は? 面談中の注意事項は?

部下との信頼関係が築けていない状態で、プライベートな質問をするのはご法度です。仕事に関係のないことを聞けば、部下によっては嫌悪感を示し、信頼関係の構築を阻害する要因になる可能性があります。

また、1on1ミーティング中の態度として、相手を責めたり否定したりするのもNGです。仕事のモチベーションを下げる大きな要因になり、部下の今後の仕事に悪い影響を及ぼすでしょう。特に失敗話を聞くときには注意しましょう。

最後に、部下がプレッシャーを感じず、話しやすい雰囲気をつくることは、忘れられがちですが非常に大切なことです。部下の緊張をほぐすようなコミュニケーションを心がけ、リラックスして話してもらえる状態を目指しましょう