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上司はやってしまいがち! 「1on1ミーティング」が失敗する4つの原因

「1on1ミーティング」とは、部下の成長支援のために上司または人事と部下が1対1でミーティングをすることです。この1on1ミーティングを有効に活用している会社がある一方で、実施の仕方を間違えてしまい、あまり効果が感じられず挫折してしまったという会社もあります。1on1ミーティングで成果が出せる企業と出せない企業、一体何が違うのでしょうか? 失敗する主な原因を4つ挙げてみました。

1.不満やガス抜きをする場になっている

まず、上司や部下が1on1ミーティングの目的を正確に理解していないと失敗につながります。多くの会社では業績評価や日々の進捗確認など、上司と部下が1対1で話す機会は他にもあるでしょう。しかし、1on1ミーティングは「会社が部下の働きを評価するため」や「上司が部下の仕事の進捗を知るため」のものではなく、「部下自身の成長のため」に実施されるものです。そういった意味では、部下の愚痴に耳を傾けて日ごろのストレスを発散させてあげることにも価値があるのでは? と思われる方もいるかもしれません。しかし、それで部下は成長するでしょうか? 問題を認識し→解決策を考え→解決する、その成功体験を積み重ねてこそ部下は成長します。不平不満を毎回聞いてあげるだけでは成功体験は得られませんし、不満をためることが当たり前の組織文化ができあがってしまうリスクもあります。1on1ミーティングで愚痴や不満のような発言があった場合は、何が問題なのかを洗い出し、その解決のために何ができるのかを建設的に話し合うように心がけましょう。

2.実施頻度が低い

業績評価の面談であれば、半年や四半期に1回という頻度が当たり前かもしれません。しかし、部下の成長支援を目的とする1on1ミーティングの場合は、最低でも月1回のペースで実施すべきです。半年や四半期に1回では期初の記憶は薄れてしまっているでしょうし、なにより課題のヒアリングやフィードバックはタイムリーに実施するほうが効果的です。また、頻度が高い方が行動改善のサイクルが速くなり、成功体験も積みやすくなります。

「ヤフーの1on1―部下を成長させるコミュニケーションの技法」(ダイヤモンド社)によると、ヤフーでは週1回、30分のペースで1on1ミーティングを実施しているそうです。

3.上司が一方的にアドバイスする場になっている

「よし! 部下の成長のために、私の経験を活かしてアドバイスしてやろう!」と上司は思うかもしれませんが、実はこの意気込みこそ要注意です。1on1ミーティングでは、部下本人が問題を認識し・解決策を考え・行動することをサポートする必要があります。そのために、最も重要なのが「傾聴」。つまり、部下に話をさせて、上司はじっと耳を傾けなけれなりません。これが簡単なようでいて、意外と難しいのです。ここで多くの上司がやってしまうNG行動をチェックしてみましょう。

部下の話を遮ってしまう

経験豊富で仕事ができる上司ほど、部下の考えを先回りして読んでしまうことがあります。「それって、こういうことでしょ?」「こう考えているんじゃない?」と、部下が話し終わる前に割り込むのは絶対にやめましょう。「うまく話せないようだから、良かれと思って……」と言うかもしれませんが、うまく話せなくても、部下が話している間は遮らず、最後までしっかり耳を傾けましょう。部下が一通り話し終わったあとで、部下にさらに深く考えさせるために質問するのはOKです。

自信満々に自分の見解を述べてしまう

経験豊富な上司は、部下が抱えている問題に対して過去にすでに対処したことがあったり、解決策を簡単に思いついてしまうかもしれません。「こうしてみたら?」「私はこれで解決できた」とアドバイスしたくなるでしょう。ですが、上司がすべきなのは具体的な解決策を提示することではなく、「あなたはどうしたらいいと思う?」と聞いて、部下自身に考えさせることです。解決策を教えるのではなく、解決策を導く方法を教えるほうがずっと再現性が高く、部下の成長につながります。また、上司が思う解決策が必ずしも正しいとは限りません。部下が置かれている状況を、上司は100%正確に把握しているわけではないからです。また、上司と部下という上下関係があるために、上司が「こうだ!」と強く主張すると、反論できなくなってしまう部下もいるかもしれません。

部下の意見を否定してしまう

部下が認識した問題やその解決策について、上司は「間違っている」と思うこともあるでしょう。「部下は〇〇が問題だと思っているが、本当の問題は△△なんじゃないか」とか、「部下が考えた解決策Aよりも、解決策Bのほうがきっと効果があるだろう」といったように……。そのときに、「その考えは違うんじゃないか?」と部下を否定するのはNGです。先の「自分の見解を述べるのがNG」というのと同じで、部下自身がトライ&エラーを繰り返して成功体験を積んでいくことを何より重視すべきです。部下が導き出した解決策で問題が1回で解決しなかったとしても、その結果を一緒に振り返り、「じゃあ、次はどうしたらいいと思う?」と積み重ねていけばいいのです。部下の意見に対して上司が正解・不正解を判断してしまうと、部下は「上司の正解」を探すようになります。それでは部下自身の成長にはつながりません。

4.お互いが準備不足である

忙しい業務の合間をぬって実施しなければならないのはわかりますが、上司と部下の事前準備が不十分になってしまうと、せっかくの1on1ミーティングの場が雑談に終始してしまい、失敗する原因になります。1on1ミーティングの事前準備として、部下には必ず「何を話したいか」というトピックを2、3個考えてもらい、あらかじめ上司に伝えておいてもらいましょう。そうすれば、当日になって部下から「何も話したいことがありません」と言われ、何を話せばよいかわからなくなる……といった事態は避けられます。事前に部下がトピックを決めかねているようなら、日ごろからよく部下を観察している上司からいくつか提案してあげても構いません。最初のうちは話したいトピックを探すことを難しく感じる人もいますが、繰り返すうちに慣れていくでしょう。

番外編: 1on1ミーティングのログは必ず残そう

1on1ミーティングを実施したら、必ず上司と部下が確認できるかたちでログを残すようにしましょう。人間は忘れる生き物です。前回の1on1ミーティングでどのような話をして、どのように行動を改善すると合意したのか。これを忘れてしまったら、部下は解決策を実行に移せなくなってしまいますし、次の1on1ミーティングで結果を振り返ることもできません。また、ログが蓄積されていくことで、部下の成長が見えるようになります。問題を自分で解決してきたという目に見える実績が部下の自信にもつながって、成長を加速させるはずです。

まとめ: 部下の成長にコミットすれば、組織は強くなる!

1on1ミーティングの効果は、一朝一夕で得られるものではありません。にもかかわらず、週1回や月1回のペースで上司と部下の時間をとる必要があるため、「本当に効果があるの?」「普段のコミュニケーションで十分なのでは?」と反発を招くこともあるかもしれません。しかし、日々の業務に追われるなかで、普段から仕事の指示や進捗確認ではなく「部下の成長のための時間」を十分に取れている組織は少ないのが実情じゃないでしょうか? 人材の成長にコミットすることは、組織を強くしていくためには不可欠です。上記のことに注意しながら1on1ミーティングを適切におこなえば、部下の成長を加速させ、強い組織をつくることができます。

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