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要注意!「360度評価」を失敗に追い込む4つの原因

上司から部下への一方通行のフィードバックではなく、一緒に働く人たちから多面的にフィードバックをもらうことで、社員に自分自身をより客観的に振り返る機会を提供できる。そのような理由から、「360度評価(多面評価)」を取り入れる会社が増えています。

しかし、どんなものであれ新しい制度の導入はむずかしいもの。「360度評価」もその例にもれず、取り入れたもののうまく運用できず、失敗してしまうケースが出てきています。では、成果が出ている会社と成果が出ない会社は何がちがうのでしょうか。

360度評価が失敗してしまう4つの原因とは?

360度評価が失敗してしまうのには、理由があります。本来は使えるツールであるにもかかわらず、導入や運用のやりかたが間違っていたために結果が出ず、「大変な思いをして取り入れたのに時間の無駄だった」なんてことになったら、もったいないですよね。そこで今回は、360度評価を失敗に追い込む4つの原因をご紹介します。先に知っておけば、回避できますね。4つの失敗原因はこちらです。

  1.  人事評価に組み込んでしまう
  2.  現場に負荷がかかりすぎている
  3.  導入の背景や意図の周知が不十分
  4.  結果が出るまえにやめてしまう

それでは、一つずつ解説していきましょう。

1.360度評価を人事評価に組み込んではいけない

360度評価を、人事評価の一つの手法ととらえている人事の方もいるでしょう。しかし実は、360度評価は人事評価に組み込むべきではありません。なぜなら、それぞれ目的がちがうからです。人事評価の目的は「業績評価」であるのに対し、360度評価の目的は「メンバーの成長」にあります(あるべきです)。目的の異なるものを一緒に運用しようとすると、どちらも失敗しかねません。

よくいわれるのは、人事評価に紐づけることによって回答にゆがみが生じる可能性があるということ。例えば、「談合」(他の人と示し合わせて高評価を付け合うこと)が起こったり、評価に影響するという理由から率直な評価をつけにくい心理になったりするのです。ですから、メンバーの成長に有益なデータを集めるには、人事評価には紐づけないほうが良いのです。

集めたデータは、評価とは別のところでメンバーにフィードバックするとよいでしょう。近年では、「フィードバックはリアルタイム性が重要」といわれるようになってきています。特にSNSに親しんだ若い世代であるほど、その傾向は顕著のようです。人事評価よりも短期間でフィードバックする機会を設けるようにしましょう。

2.現場の負荷は最小限に!

360度評価では、メンバーが同僚を評価したりマネジャーを評価したりすることになります。そこで、「現場の負担が大きいのでは?」と懸念する人もいます。たしかに、大量の設問を何人分も回答しないといけないとなると、現場の負担は相当なもの。「仕事もあるのにそんなことをしている場合ではない!」という不満が出てくるかもしれません。

実は360度評価は、設問数が少なくても効果があります。細かく設計しすぎずに、設問数は10個くらいにとどめておき、細かい指摘はフリーコメントなどで補うのがベターです。また、回答するメリットを十分に感じられないと、「負荷が大きすぎる」という不満を増長してしまいます。そこで、次の項目です。

3.導入の背景や意図の説明は十分ですか?

現場を巻き込んだ取り組みですから、現場の協力は不可欠です。

大事なのは、「なぜ、360度評価を導入するのか(背景・目的)」「どんな効果があるのか(メリット)」「この後どうしていくのか(スケジュール)」をメンバー全員にしっかりと説明することです。「そんなの、もちろん導入時に説明するに決まっている」という反論が聞こえてきそうですが、人は忘れっぽい生き物。十分に浸透させるには、同じことを言い続けて思い出してもらう必要があるかもしれません。

また、表向きは協力してくれてはいても、「(自分を含め、社員にとって)本当にやる価値がある」と思ってもらえなければ、不満が蓄積していってしまうでしょう。実施するのは「個人の成長のため(個人が成長することが、強い組織をつくる)」であり、360度評価は会社が成長を支援するための材料集めであることを、腹落ちするまでメンバーに説明しましょう。

実際に良い効果が出たときには、それを積極的に共有することで、メリットを再認識してもらうことができます。

4.短期間で結果は出ない。とにかく6カ月間は続けられる体制をつくる

主な失敗原因の4つ目は、「結果が出る前にやめてしまう」ことです。360度評価は「評価を実施して終了」ではなく、実施後に結果をメンバーにフィードバックして、メンバーが行動を改善して、再度評価して……というサイクルを回してこそ効果が出るもの。安定的に効果を感じられるようになるまでには、毎月評価を実施したとしても少なくとも6カ月はかかると思っておくべきでしょう。

ですが、Excelや機能の足りない無料アンケートツールなどを使用していて、回答を集めたり集計したりするのに煩雑な作業が必要になるようだと、実施すること自体が負担になり、続きません。実際「膨大な手間」を理由に、数回実施しただけでやめてしまう会社も少なくないようです。負担なく続けられる体制をつくることが大事なのです。

まとめ:適切に設計・運用すれば、360度評価は強力なツール

360度評価は、正しく運用すれば強力なツールです。だからこそ、人事のみなさんが360度評価の導入を検討するときには、メリット・デメリットだけでなく、うまくいく制度設計やうまくいく運用方法についても十分に情報収集することをおすすめします。社員が成長し続ける強い組織をつくるために、ぜひ360度評価を活用してみてください。

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