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インテルを「強い組織」にした1on1ミーティングの実施方法とは?

2017年1月に、日経BP社より『HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント)人を育て、成果を最大にするマネジメント』が復刊されました。

世界トップの半導体メーカー、インテルの創設に参画した3番目の社員(社員としては第1号)であり、1987年から1998年までCEOを務めたアンドリュー・S・グローブ氏の著書です。本書では、数々のイノベーションを起こしてきた「強い組織」の組織論があますところなく公開されています。何十年も前の本であるにもかかわらず、復刊後すぐにメルカリCEOの山田進太郎氏が絶賛のツイートするなど、その内容は日本の起業家からも高く評価されているようですね。

本書の中に登場し、インテルのDNAとも言える「ワン・オン・ワン(1on1ミーティング)」は、上司と部下が議題を決めて定期的にミーティングする時間を設けることです。

シリコンバレーではGoogleなどが取り入れ、近年では日本でもヤフーやスタートアップで取り入れられ始めています。インテルがどのように1on1ミーティングを活用していたのかを知れば、「強い組織」をつくるヒントが得られるはず。……ということで、本書を引用しながら、TeamUp編集部の見解も交えつつ、まとめてみたいと思います。

1on1ミーティングの頻度を決める要因は何か?

本書では、1on1の頻度を決める要因を2つ挙げています。それは、「職務もしくは課題(タスク)での習熟度」「担当職務の領域内での状況変化がどれくらい速いか」です。

特定の状況における最も効果的な管理スタイルは、部下のタスク習熟度が高くなるにつれて、密着した監督のあり方から緩やかな監督のあり方へと変化する。したがって、特殊な状況における経験が少ない部下にはワン・オン・ワンを頻繁に(たとえば、週に1回)実施し、経験に富んだベテランならば回数を減らす(2、3週間に1回というように)

つまり、新人や部署異動したばかりの人などは週1回から始め、仕事に慣れていくにつれて2、3週間に頻度を減らしていけば良いということになります。また、ミーティングの推奨実施頻度は、部署によっても異なるようです。

マーケティングの場合、変化が速いので、監督者はワン・オン・ワンを頻繁に行なう必要がある。だが、研究部門では日常生活は比較的穏やかであり、また特定レベルのタスク習熟度からいっても、時折実施するミーティングで充分である

本書が刊行された時代に比べ、現在はビジネス環境の変化のスピードが速くなっています。そういった意味では、上司と部下が頻繁に情報交換する必要性は高まってきているといえるかもしれません。職種やビジネス環境に応じて、適切な頻度を探してみましょう。

1on1ミーティングの時間は、どれくらい取るべきか?

1on1ミーティングの推奨時間についてグローブ氏は、「最低1時間は続けるべき」と述べています。理由は明確です。

私の経験でいうと、時間がそれ以下の場合に、部下が持ち出してくる問題は、すばやく取り扱える簡単なものにおのずと限定されがちである

ミーティングの時間が30分しかないのに、議論し始めたら1時間はかかりそうな議題を挙げるのは確かに気が引けるものです。部下からすれば、「気が利かないと思われたら嫌」「議論の途中でタイムアップになって中途半端に終わるのも気持ちが悪い」「親身になってくれる上司に時間を延ばして対応してもらうのも申し訳ない」といった気持ちでしょう。より深刻な問題を聞き出すには、十分な時間が必要ということです。

ただしTeamUp編集部では、もし「1時間」を確保することが負担となって1on1ミーティングの継続的な実施の妨げになりそうな場合は、「30分」でもいいので実施を優先すべきだと考えています。継続できなければ、何の効果も得られないからです。

1on1ミーティングは、どこで実施するべきか?

実施場所については、インテルでは「部下の仕事場所か、その近く」で実施するケースが多いようです。

部下のオフィスに出向いてゆけば、監督者はいろいろなことを知ることができる。部下はきちんと片付けており、また準備もできていたかどうか。欲しい書類を探すのに何度も時間をかけなければならないか。仕事を話し合う間、終始邪魔されるか、それともそういうことは全然ないか。そして一般的にいって、その部下の仕事への取組み方はどうか

1on1ミーティングを部下のオフィスで実施すれば、部下の仕事環境を把握することができるので、確かに良い面があります。ただ実際には、日本企業のオフィスは席の近くで他の人が働いている可能性が高く、話の内容を聞かれたくない人もいるでしょうから、会議室で実施するケースが多くなるかもしれません。そのような場合には、常日頃から部下の仕事環境を観察しておく必要があるでしょう

会議室では打ち解けて話せないという場合は、外のカフェなどに行って、お茶をしながらミーティングをするというの一つの方法です。いずれにしても、本音で話せるということが重要です。

1on1ミーティングでは何を話すべきか?

1on1ミーティングで取り上げるアジェンダについてグローブ氏は、何かしらの業績指標について話し合うことから始めてもいいとしつつも、一つの明確な基準を示しています。

話し合うべき事項を決める最も重要な基準は、それが部下につきまとって苦しめている問題かどうかである。そういった問題はしばしばあいまいなことが多く、それが表面に出てきて、考え、解決するのには時間がかかることが多い

直感レベルで悪い予感がするとか、明確に何とは言えないけれどモヤモヤするといった状態で上司に話すのは勇気のいることです。しかし、それがあることによって仕事の効率が落ちたりモチベーションが低下したりするのであれば、そのような問題こそ、上司の力を借りて解決を試みる価値があるともいえるのではないでしょうか。

インテルでもメモは必ず残していた

インテルにおける1on1ミーティングでのメモの取り方は、「上司も部下もミーティングのアウトラインをそれぞれ各一部手にして、メモを書き込まなければならない」としています。またメモを取るメリットとして、情報の理解を促進し、ToDoを管理できるとしています。

メモを取るのは気持ちが散漫になるのを引き締め、見聞きした情報を消化する助けとするためである。アウトラインが載った紙にメモしようとすれば、勢い情報を論理的に分類せざるをえない。それが、情報の吸収に役立つ。(中略)ワン・オン・ワンで問題が討議されると、なんらかの処置を取る必要が生じてくるが、多くは部下のほうでやらねばならないことである。上役から何か提案があったすぐ後にメモを取れば、その行為は握手と同じように、なんらかの処置をするという約束を意味する。上役のほうも、やはりメモを取っているので、次のワン・オン・ワンのときにそれがどう展開したかフォローして確かめられる

TeamUp編集部でも、1on1ミーティングの際にメモを取ることの重要性をお伝えしていますが、ここではもう一つ重要な視点も述べられています。

ほんとうに時間の節減ができるのは、『保留』ファイルの使用である。上司も部下も、重要だが必ずしも緊急でないものを次回のミーティングで討議するようにためておくことができる

先ほどのケースのように、曖昧だったり複雑だったりして時間内での解決が難しい問題については、忘れないように『保留』としてメモに残しておき、時間を置いて解決を試みることができます。また、メモに『保留』のアジェンダがずっと残っていれば、緊急性の高い問題ばかりが取り上げられて、重要で緊急性の低い問題が後回しにされ続けているといった状態にも気が付くことができるでしょう。

まとめ

TeamUp編集部では、1on1ミーティングは「部下の成長のために実施するものであるべき」という考えを持っています。しかし本書は、インテルでおこなわれていた具体的な1on1ミーティングの手法を惜しみなく伝授するとともに、1on1ミーティングがマネジメント側にとって、人材が育つという以外の視点においても非常に有意義であることを説明しています。興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。

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