特集

リモートワークに慣れつつある今、改めて意識したいオンライン1on1のポイント

コロナ禍により、働き方のスタイルが大きく変化して、まもなく2年。

完全リモートワークの形態へ転換された企業やリアルとの組み合わせなど、企業によって異なりつつも、リモートワークやオンラインコミュニケーションは多くの組織のなかで、根付きつつあると思います。

働く環境が変わったことにより、関係構築や成長支援を実現するうえで、実は気付いていない「失っているもの」も多く存在します。

リモートワークに慣れつつある今だからこそ、改めてオンラインで実施する1on1で意識しておきたいポイントを整理しましたので、上司・部下視点それぞれで、振り返ってみましょう。

リモートワークが長期化することで減少する上司から部下へのサポートの機会

初の緊急事態宣言後の2020年6月とそこから1年後2021年6月に実施された調査の結果、在宅勤務が長期化する中で上司からのサポートの機会が減ったと感じる社員が増加傾向にあります。リモートワーク初期は、慣れない環境でもあるがゆえに意識的にサポートできていたことが、慣れてくると徐々に無意識にサポートが減ってる状態になっている可能性もあるかと思います。改めて1on1の重要性が高まっているのではないでしょうか。

※ピースマインド株式会社が実施されたコロナ禍における「はたらく人のウェルビーイング」調査レポートを参照
https://www.peacemind.co.jp/newsrelease/archives/300

ポイント① 何気ない会話の重要性

リモートワークが進むことで、普段職場で実施していた何気ない会話や他者との気軽なコミュニケーションが、失われがちであることは体感されているかと思います。その影響により、多くの社員にとって、働くなかでの孤立感は増加傾向にあります。お互いがいま何を感じているのか?どういった状況なのか?などといった表面に表れにくい情報や細かな状況・コンディションの変化を察知するためにも何気ない会話から得られる効用は非常に大きいものだと思われます。

例えば、「最近睡眠は十分にとれているか?」「気分/調子はどうか?」「趣味の○○は最近どう?お薦めはある?」「○○さんが進めてくれたあの取り組みはみんなの反応よかったね」などといった会話から1on1を始めてみてはいかがでしょうか?

ポイント② 承認・感謝の機会を、普段より多めに実施

リモートワークが進むことにより、部下側は下記のような不安や心配を感じやすくなります。
・自分の仕事が伝わっているのか
・評価されているのか
・ネガティブな印象を持たれていないか

また、部下のポジティブな側面は上司側としては意識しにくい傾向もあります。部下側が自分自身で伝えられると良いのですが、人は自分自身ができるようになってきた、小さな変化・成長には気づきにくいものです。

上司側が対面時よりも意識的に、頻度高く小さな変化や成長への承認や感謝を伝えることで部下側の不安や心配を減らし、相互理解を深めていきましょう。

※改善フィードバックを適切に受け止めてもらうためには、その5倍の量(目安)のポジティブフィードバックが必要と言われています

ポイント③ 1on1ではできるだけカメラオンで、お互いの表情を確認

日常業務でのmtgや部門・チームmtgだとカメラオフになっているケースも多くあるかと思いますが、その延長で1on1時もなんとなくオフになってしまっているケースもあるのではないでしょうか。

状況によって、必ずカメラオンにしないといけないわけではないですが、表情など顔を見せながら対話することで得られる情報はお互いに多くなります。部下側としても、上司の反応や表情を見れないのって実は不安ですよね。自分自身の状態を知ってもらうためにも、1on1実施時には、積極的にカメラオンにすることをお薦めします。

ポイント④ フェアであることをいつも以上に意識する

日常の様子が見えないがゆえに、認知バイアス(思い込みやとらわれ)がかかりやすい状況が加速します。あの人はこういう人だから、などの認知バイアスを持った状態でコミュニケーションをとることにより、関係構築を阻害するだけでなく、1on1前後でのお互いの状況も見えていないので、実は直前の業務でメンタル面でネガティブになってしまっており、話を受け容れられる状態になっていなかったり、ストレスを抱えてしまっている状態になっている可能性もあります。お互いが見えない状態にあるということを念頭に置いたうえで、認知バイアスを持ってしまっていないかをメタ認知したうえで、対話を心がけてみましょう。

※1on1実施前の部下からの事前トピックを確認しつつ、体調・メンタル面をまずはチェックする会話からはいることも重要です。

最後に

以上、改めて意識したい4つのポイントをお伝えしました。

リモートワークに慣れつつある今だからこそ、社内でのコミュニケーションを振り返る機会として、活用していただければと思います。