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コミュニケーションで重要なのは、時間より頻度──1on1ミーティングで作り上げる「夢を目標に変えて実現する組織」

・ TeamUp

株式会社ProVision様では、社員が目標を見つけ、それを達成していくプロセスを、上司が1on1でサポートしています。今回は、6年以上前から自主的に1on1に取り組んできた実績があり、現在も毎月25名の部下の方と1on1を行っているという同社の木川様に、対話のコツや部下との向き合い方、そして1on1によって起こった社員の変化などについてお話を伺いました。

株式会社ProVision
QualityIntegration(QI)事業部 QualityAssuranceService(QAS)2部
課長 木川 広基 様

業界:IT/利用人数:600名

部下の成長は組織にとって最も大切なこと

━━まずは、貴社で1on1を導入された目的などについて教えてください。

当社では、2020年に評価制度の一環として1on1を導入しました。期初に個人目標を設定して、1on1で目標達成までのプロセスを確認し、期末にそれを評価するというサイクルで、部下の目標達成支援をしています。

━━木川様ご自身は、1on1をどのようなツールと捉えていらっしゃいますか。

私は、1on1を部下の成長のための取り組みと捉えています。1on1は、部下が自分自身の目標と向き合い、上司との対話によって思考を整理して気付きを得るための大切な時間です。また、今はリモートワークが長期化して会話の機会が減ってしまっているため、上司である私にとってもメンバーの様子を知る機会になっています。

━━1on1が貴重なコミュニケーションの場になっているのですね。木川様は上司として何名の方と1on1をなさっているのでしょうか。

現在は25名のメンバーと行っています。1回あたりの時間は30分で、基本的には月に1回としていますが、要望があれば月に2回行うこともあります。会社からは2ヶ月に1回以上という基準が提示されているのですが、「コミュニケーションにおいて重要なのは時間よりも頻度」だと思うので、私の課では月に1回以上としています。係長や主任がそれぞれの部下と行う1on1も、少なくとも月に1回は実施するように伝えています。

━━他業務もお忙しい中、25名もの方との時間をどのように確保されているのでしょうか。

部下の成長は組織にとって最も重要なことなので、忙しくても回数を減らさないように工夫しています。たとえば、月末に1on1が集中しやすいため1日2名までと決めて分散させたり、各プロジェクトのチームリーダーに権限委譲してそれぞれの部下との1on1を任せたりして、私の負担が大きくなりすぎないようにメンバーにも協力してもらっています。なかでも権限委譲については、これからどんどん進めていきたいことの一つですね。

━━権限委譲はどのように進めていますか。

1on1のやり方や対話の技術などを伝え、その後は役職者同士で学び合う時間を作って会話力のブラッシュアップを図っています。対話は相手のあることなので、思い通りにいかないこともありますよね。ですので、週1回の役職者定例の時にうまくいった事例や失敗した事例などを持ち寄り、お互いに相談し合いながら情報共有できるようにしました。

上司に必要なのは、対話のセンスではなくスキルを磨くこと

━━木川様は会社で導入される前から1on1をなさっていたそうですが、いつ頃始められたのでしょうか。

2015年です。部下に気持ちよく働いてもらいたいと思って始めたのですが、当時はまだ1on1という言葉も聞いたことがなく、今のようなノウハウもありませんでしたので、試行錯誤しながら自己流で面談をしていました。1on1について体系的に勉強したのは、2020年に会社に導入されてからです。

━━体型的に勉強されたということですが、具体的にどのような学びがありましたか。

まず、1on1は部下が成長するための場であり、部下が話したいことを話す場なので、上司はそれを認識し、部下が話したいことを十分話せるように留意する必要があるということを学びました。たとえば「会話の切り出しは上司ではなく部下から行う」「上司は部下の話を最後まで丁寧に聴く」というのも、1on1では大切なポイントです。話が盛り上がると言いたいことが出てきてしまう場合もありますが、上司が話したいことを話す場ではないということを常に意識して1on1に臨むようにしています。

「アクティブリスニング」「レコグニション」「コーチングとティーチングの違い」といった対話の技術も勉強しました。1on1には対話センスが必要と思われがちですが、1on1で重要なのは対話のセンスではなくスキルだと私は考えています。スキルは磨いていけますので、知識を身につけて会話力を磨いていくとよいと思います。

1on1は、“点”で捉えるのではなく“線”で捉える

━━木川様が1on1で心がけていることや、実行していることなどはありますか。

1on1の前にTeamUpのログを見返して、前回何を話したのかを確認するようにしています。1on1の目的は部下の成長のために伴走することなので、1回の対話を点として捉えるのではなく、長い目で見て線で捉える必要がありますよね。もちろん話のテーマは毎回変わりますが、会話の中で「前回もこう言っていたよね」と言えるようにしておくと、話がつながっていきます。

また、部下が安心して何でも話せるように、心理的安全性の高い場を作ることも心がけています。上司と1対1で話すというのは緊張することだと思いますので、できるだけそれが緩和されるように、例えば、私は必ず笑顔で入室するようにしています。

━━上司の悩みとして「部下が話してくれない」という声がよく聞かれますが、そういう場合はどうなさっていますか。

あまり話さない人は、自分の目標や考えを人に話すことに慣れていないのだと思います。ですので、私は部下が自分の思いを言語化して話し始めるまで待つようにしています。また、新しい部下との1on1ではなかなか話が出てこないこともあるので、事前に入力してもらったトピックを読み上げてもらうだけにしたり、初回の1on1をアイスブレイクで終わらせたりすることもあります。そうするとその回は犠牲になってしまいますが、1回を点として見るのではなく、線として見て必要だと思うことをするようにしています。

1on1で対話を重ね、『この人たちと働きたい』が生まれる場所を作る

━━1on1によって、部下の皆さんにどのような変化がありましたか。

会社に1on1が導入されたことで、自分の成長について考え、目標に対して能動的に行動するメンバーが増えたように思います。これまではどうしても目先の仕事にとらわれて短期的な視野で仕事と向き合っている印象がありましたが、1on1で目標と向き合うことで行動が促され、社員が前を向いて進むようになりました。当社の執行役員が私たちによく言ってくれる言葉に「夢を目標に変えて実現する組織を作りたい」というものがあるのですが、そのような組織に少しずつ近付いているように感じます。1on1を通じて夢を見つけ、そのビジョンを体現するということが、部下の中に育まれていっているのが嬉しいですね。

━━1on1でさらに対話を重ねて、今後はどのようなチーム、組織を作っていきたいとお考えですか。

私の課では、『この人たちと働きたい』が生まれる場所というビジョンを掲げています。チームメンバーに「まわりにいるこの人たちと働きたい」と思える環境で働いてもらいたいですし、お客様にも「この人たちと仕事ができてよかった」と思っていただきたい。私たちのチームを、皆さんにそう思ってもらえるような、魅力的な集団にしていきたいと考えています。そしてそのために、1on1などの取り組みによって前を向いて明るく元気に歩いていく人材を育てていきたいですね。

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