社員が安心して挑戦したくなる環境を目指して。成長機会につながる1on1ミーティング

社員が安心して挑戦したくなる環境を目指して。成長機会につながる1on1ミーティング

現在、1on1を全社的に本格導入しているTIS株式会社様。今回は副ジェネラルマネージャー 兼 部長としてマネージャー層との1on1を行っている藤井様に、メンバーの働きやすさと成長支援のために心がけていることや、1on1での対話の工夫について伺いました。

主体的に考えて行動するメンバーが増えてきた

━━まず、現在藤井様が担当している1on1の対象者と実施頻度を教えていただけますか?

私は主にマネージャー層の15名程度のメンバーと1on1を行っています。頻度は1-2週間に1回ペースが理想なのですが、業務とのバランスや継続することを重視して、現在は月1回に落ち着いています。

━━藤井様がご自身の部署で1on1に力を入れ始めたきっかけはありますか?

5年ほど前、開発部長だった時に人事部からの勧めで受けたコーチング研修がきっかけです。それまで、「上司は部下に指示をして引っ張っていくものだ」というイメージが強かったのですが、研修で「指示することが部下の成長を止めている」ことを知り、衝撃を受けました。部下の成長を促すためのアプローチを学び、マネジメントへの考え方が180度変わったんです。そこから、部下に考えさせ、部下の成長を支援する1on1の重要性を意識するようになりました。

━━1on1を続けてきて、何か手応えを感じる機会はありましたか?

上からの指示を待つだけではなく「自分がどうしたいか」という意見をもって行動するメンバーが増えた気がします。1on1の中でやると決めたアクションに留まらず、自ら考え、主体的にお客様とコミュニケーションをとって新しい仕事につなげてくれるようになったメンバーもいます。具体的な行動の変化につながったという話を聞くと、やっぱり嬉しいですよね。マネージャーの意識や関わり方の変化が、さらに彼ら彼女らの配下の社員一人一人にも良い影響を与えているように思います。

━━1on1を実施する上で最も大事にしていることは何でしょうか?

本音で話ができるようにするため、心理的安全性を大事にしています。私が担当する1on1では「この場で話したことは他の人には言わない」という前提で進めていますし、マネージャーが部下と実施する1on1の内容は、私と共有しなくてよい旨を伝えています。

また、大前提ですが、必ず定期的なスケジュールを確保して実施すること。もちろん他の業務の都合で急遽予定を変更しなければならないこともありますが、どんなに忙しい時期でも絶対にスキップはしないと決めています。

━━実施頻度を守り続けるのは、シンプルですが習慣を定着させるために重要なことですよね。1on1の場でメンターとして振る舞うときに気をつけていることはありますか?

お互いに目的を見失うと形骸化してしまうので、「これはあなたの成長のための場だよ」と繰り返し伝えるようにしています。基本的には私が問いかけながら会話を進めていきますが、質問ばかり続けているとだんだん圧迫感を与えてしまうこともあります。なので、質問するだけではなく、相手のささいな行動にもフィードバックを伝えるようにしています。フィードバックでは、「私がどう感じているか」「あなたの行動は周囲にどのような影響を及ぼしているか」の2つの側面から伝えるように心がけています。

また、私自身もともと傾聴が得意ではなかったので、沈黙になっても焦らず待つ、ということを特に気をつけています。ビデオ通話で実施するときはなおさら間を埋めようとしてしまいがちですが、意識して相手の発言をじっくり待つようにしています。

ペイメントサービスユニット 副ジェネラルマネージャー
兼 モビリティサービス部 部長 藤井隆司様

キャリアの話題はなるべくリアルタイムで鮮度良く把握

━━1on1ではどのようなトピックが挙がることが多いですか?

働き方やチーム内の関係性、キャリアについて話すことが多いですね。堅い雰囲気になりすぎないように、雑談も交えながら。

━━それぞれのテーマについて話すとき、何か意識していることがあれば教えていただけますか?

働き方の改善については以前から注力しています。例えば子育てや介護の都合で時短勤務で働いている人など、組織内にも様々な状況の人がいます。それぞれの環境の中で最大限の力を発揮できるよう、働き方に対する考えを本人から直接聞くようにしています。その上で、プロジェクトマネジメントや品質を高めるための取り組み、お客様と会話する時間など、皆が本当にやりたいと思っている仕事に集中できるように環境を整えていけたらいいなと思っています

チーム内の関係性やチーム運営については、私自身がコーチング研修で学んだ「指示することが部下の成長を止めている。チームの成長も止めている」という考え方について話すことが多いです。「こうしないとダメだ」ではなく、あくまで私個人の気づきや経験を、自戒を込めて共有する形ですが。他には、シンプルに「チームのためにあなたができることは何か」という質問をしますね。

━━話題に応じて、聞き方も工夫されているのですね。キャリアの相談についてはいかがですか?

キャリアについては、一度聞いた話に捉われず、極力リアルタイムで思っていることを鮮度良く把握するように心がけています。あるとき「将来はプロジェクトマネージャー(PM)をやりたい」と言っていた人が、3ヶ月後になったら少し違う方向を目指している場合もあると思うんです。会話の中で「気持ちが変わってきているのでは?」という発言に気づいたときには、再び同じ話題を投げかけて確認しています。

私としては、一人一人がやりたい仕事をやらせてあげたい気持ちがあります。しかし、希望に近い仕事がいつ立ち上がるかはわかりません。ですから、チャンスがあったときに適したメンバーに声をかけられるよう、常に最新の思いを把握し続けるというのが私の工夫のひとつですね。

あとは、将来像がまだ明確になっていない部下に無理矢理何かを言わせようとしないこと。こちらの理想を押しつけないように気をつけています。3年後の目標を立てるのが難しそうであれば、「1年後だったらどう?」とイメージしやすい質問に変えて、相手が少しでも気づきを得られるよう支援したいと思っています。

組織として1on1を機能させ、チャレンジを支援する

━━組織に1on1を浸透させていく過程で苦労した点はありますか?

1on1はメンター側の力量に加え、メンバー側が意図をしっかり理解したうえで実施する必要があると思っています。あるとき、メンバー側から1on1への不満が出ているケースを知りました。そこで、1on1を受ける側のメンバー向けにも研修を実施することにしました。研修では、「1on1はそもそもどういう場であるべきか」という説明やディスカッションをしたり、1on1で感じていた不満を吐き出してもらったりもしました。組織全体で1on1への理解を深めることで、あまりメリットのない1on1になってしまった場合でも、メンターとメンバーがお互いに指摘し合い、軌道修正できる状態にしたかったんです。

━━最近はリモートワークも増えてきましたが、1on1の位置付けに変化はありましたか?

以前は自分の習慣として、オフィスを歩き回り、メンバーに声をかけることで一人一人のサポートをしていました。今はオフィスの座席もフリーアドレスになりましたし、リモートワークも多くなったので、1対1でじっくりメンバーと話せる機会は本当に限られています。そういう意味でも、1on1がより重要な場になりましたね

━━今後、組織のメンバーに期待することはありますか?

部門全体に対して、いつも「今はできないことでもいいから、これからチャレンジしたいことや思っていることをぜひ発信してほしい」「責任は私が取る。結果だけでなくチャレンジしたことを評価するからどんどんチャレンジしてほしい。」というメッセージを伝えています。部下の自己実現や成長、活躍につなげるために、私の立場からフォローできることは引き続き行っていきたいですね。

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